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五月兎の赤目雑記

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2012年 05月 25日

浄水場、ホルムアルデヒド検出、発生源は?

浄水場でのホルムアルデヒド検出、原因物質はヘキサメチレンテトラミンと確認されたようだ。

浄水場汚染でヘキサメチレンテトラミンを検出
2012.5.25 産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/life/news/120525/trd12052500300003-n1.htm
「関東の浄水場の水道水から水質基準を超える有害物質ホルムアルデヒドが検出された問題で、環境省と厚生労働省は24日、原因物質は、塩素と反応しホルムアルデヒドを生成する化学物質「ヘキサメチレンテトラミン」と推定されると発表した。
 今回検出された利根川流域にはヘキサメチレンテトラミンを年間1トン以上取り扱う事業所が埼玉県に2カ所、群馬県に3カ所あるため、環境省は同日、両県に対し25日にも該当事業所への立ち入り調査を行うよう要請した。」


これはPRTR届出情報であろう。たとえば、下記から、利根川水系を選ぶと上記の数になるのだろうか(ページ下の方に業者名あり)。
http://prtr.toxwatch.net/report/ListByChemicalFactory/id/198/year_id/2009/page/3

あるテレビで「年間1トン以上排出する事業所」と放送しているのを見たが、新聞のとおり「取り扱う事業所」が正しい。

ところで読売のスクープか、読売に次のような記事が出ている。

ホルムアルデヒド原因物質、群馬の業者が排出か
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120525-OYT1T00165.htm
「千葉、埼玉県の利根川水系の浄水場で処理済みの水道水から国の基準を超える化学物質ホルムアルデヒドが検出された問題で、厚生労働省などが原因物質と断定したヘキサメチレンテトラミンは、群馬県内の産廃業者が、同県内を流れる利根川支流の烏川(からすがわ)に排出した可能性が高いことが24日、わかった。
 埼玉県内の化学工場が今月、処理を委託したといい、埼玉県が25日にも発表する。」


これだと、産廃業者が利根川流域にあるということで、委託した事業者はどこにあるかは限定されないことになる。そして産廃業者はPRTRデータには無さそうだが・・・・。

# by iron_pen | 2012-05-25 09:27 | 環境問題
2012年 05月 06日

第22回世界コンピュータ将棋選手権 ボナンザの敗退など

今年も、第22回世界コンピュータ将棋選手権が開催された。結果ベスト5は以下のとおり。
1.GPS将棋
2.Puella α(ボンクラーズの後継)
3.ツツカナ
4.ponanza
5.習甦

このベスト5のソフトが次回将棋電王戦へ出場し、プロ棋士と戦うことになる。

強豪ソフトであるボナンザ、激指の名が無いのがさびしい感じがする。特にボナンザは2次予選で敗退し決勝に残れないという衝撃的な結果であった。それだけ他のソフトのレベルがあがったということだろうが、ボナンザの存在が、全体のレベルアップに大きな貢献をし、また自らの敗退を招いたとも言えよう。
将棋ソフトにおけるボナンザメソッドをひっさげての新星のような登場(初出場で優勝)が、他のソフトに与えた影響は大きい。また、そのソフトをソースコードまで公開し自由に利用させるというのは、勝負の損得からすれば考えられないやり方である。その結果、他のソフトはボナンザの到達点を土台に新たな向上を図ったし、公開されたボナンザを相手に何度もスパーリングを重ねてきたのは間違いないだろう。結果としてボナンザは決勝に進めないまでになったのだが、その貢献は極めて大きい。ぜひ電王戦に出て欲しかった。

その他、興味を持った点をいくつかあげておこう。

●入玉の対応
米長VSボンクラーズ戦の過程で、ソフトの弱点として入玉への対応が注目されてきている。入玉・持将棋というのは、将棋の例外的な処理なのだが、そのようなが問題になるような状況になってきているといってよいだろう。
今回のコンピュータ同志の戦いでも、入玉がらみの局面が勝敗を分けた事例が見られた。ボナンザは入玉・持将棋への特別な配慮は全くしておらず、そのため相手の入玉を簡単に許し、自玉の入玉は目指さないという指し方をしてしまって敗退した事例があった。おそらくその対戦を落とさなければ決勝に残れたはずである。

●時間切れ
決勝のGPSは6勝1敗だったのだが、その1敗は優勢な将棋の時間切れ負けだった。最低一手一秒のカウントをするルールなのでどんなに早く指しても時間が少ないほうが負けてしまうことが起こる。他方、もはや自分の負けを計算して、潔く投了したのだが、そのまま差し続ければ詰む前に相手の時間が切れる状態だったという事例もあった。
これは、コンピュータ同士の切れ負けのルールの場合で、そうでなければ発生しないだろうが、対応が必要かもしれない。

# by iron_pen | 2012-05-06 11:06 | 将棋
2012年 05月 02日

読書:TOKYO BLACKOUT

読書:TOKYO BLACKOUT / 福田和代 /東京創元社 (2008)

「東都電力」の電力供給網の破壊するテロ活動を扱った小説である。供給力の不足に対応して「輪番停電」が計画されるが実行できず、周波数の乱れで全域が停電してしまうというもの。地震の前に書かれ、電力の需給調節の手順、輪番停電など、ほとんど知られていなかったことを取り入れたのは評価できる。

しかし、今となると甘さが目立つのはやむを得ないか?輪番停電はわずか一夜にして計画が立案され特に混乱も起きないようだし、なぜか対象は東京23区のみである。(「東都電力」の電力量は東京電力全体と同じレベルの数値を使っているから、区域が23区のみということもなかろう。)
それに輪番停電の影響も、想像が追い付いていない。鉄道は停電区域のみ停止すればいいとして、他の区域は平常通り動いていることになっているし、JRは自家発電で全域平常通り運行するとしている。
明らかに数値がおかしい記述もある。
「エアコン一台で六畳間を冷房すると、およそ七百キロワット時。・・中略・・東京では、気温が一度上がると、全体で百六十万キロワットほど電力需要が上がるといわれている。」。七百キロワット時は部屋ひとつではありえないし、ワット時というのもおかしい。七百ワットの誤りではないだろうか?

ところで、この小説で本当に変なのは、犯人がこのテロによって果たそうとしたということの実現可能性など、ストーリー展開上のご都合主義であるような気がするのですが、今回は触れないでおきます。

# by iron_pen | 2012-05-02 19:28 | 読書・本
2012年 03月 12日

最悪のシナリオを公表すると

震災発生から1年を経過し、原発事故への対応についても、検証が行われている。
その中で、事故直後に想定された最悪シナリオが報道されている。

東京新聞のサイトから
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012011202100005.html
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福島事故直後に「最悪シナリオ」 半径170キロ強制移住 2012年1月12日

 福島第一原発の事故当初、新たな水素爆発が起きるなど事故が次々に拡大すれば、原発から半径百七十キロ圏は強制移住を迫られる可能性があるとの「最悪シナリオ」を、政府がまとめていたことが分かった。首都圏では、茨城、栃木、群馬各県が含まれる。

 菅直人首相(当時)の指示を受け、近藤駿介・原子力委員長が個人的に作成した。昨年三月二十五日に政府は提出を受けたが、公表していなかった。

 シナリオでは、1号機で二回目の水素爆発が起きて放射線量が上昇し、作業員が全面撤退せざるを得なくなると仮定。注水作業が止まると2、3号機の炉心の温度が上がって格納容器が壊れ、二週間後には4号機の使用済み核燃料プールの核燃料が溶け、大量の放射性物質が放出されると推定した。

 放射性物質で汚染される範囲は、旧ソ連チェルノブイリ原発事故の際に適用された移住基準をあてはめると、原発から半径百七十キロ圏では強制移住、二百五十キロ圏でも避難が必要になる可能性があると試算した。
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このシナリオについて、国民に公開しなかったのはけしからんという識者コメントを耳にする。しかし、そんなに簡単なことだっただろうか。
これを公開して、どうなったかを考えてみる。「政府はそのシナリオに対応策をとれ」となるだろう。250キロ範囲で避難するか。政府が避難措置をとらなくても、自ら避難する動きが広まるだろう。その際の混乱は大変なものだ。
20キロの避難だけで、大きな混乱があった。今のところ放射線被ばくで死者は出ていないようだが、介護を要する人や津波被害者のケアができないことで、数十人以上の死者が出ている。
もし広範囲の避難騒ぎとなれば、20キロ圏内の人の避難は逆に困難となり、被ばくする人が増えただろう。介護されないなどで死ぬ人はさらに広範囲でもっと大きな数になっただろう。
可能性としての放射線被害と、避難することで起きるだろう損害(人命も)。

政府の行動が最善でない点もあっただろう。だが、解くべき課題は非常に難しいものだった。そう単純明快に批判すればいいとも思えないのだが。

# by iron_pen | 2012-03-12 17:29 | 放射線
2012年 01月 29日

除染ロードマップのわかりにくさ 何もしなくても達成できる?

1月26日に放射能汚染区域の除染のロードマップが公表された。
対象地域を汚染状況で区分し、年間50mSv以上の地域については当面除染しないとのことである。おそらく、高度汚染地域では十分な除染は困難で、長期にわたり帰還は無理なのであろうということがだんだんわかってきたが、その地域は相当広いことにあらためて驚く。
除染ロードマップのわかりにくさ 何もしなくても達成できる?_a0057963_17481923.jpg

その他の地域は年間20mSV未満と20mSV以上の地域にわけて対応するようだが、その除染目標レベルはどうなっているのだろうか。というのは、たとえば20mSVまでに減ればOKとするのなら、現状20mSV未満の地域は除染しなくてもいいことになるのではないか?ところがこの目標が報道ではよくわからないのである。そこで発表資料そのものを見てみると、もともとわかりにくく、報道に困ったのだろうと思った。
細かいことを省略して骨組みだけまとめてみると以下のようになるようだ。

A)避難指示解除準備区域(年間積算線量20mSV以下の地域)
1)当面、年間追加被ばく線量を約50%減少した状態を実現する。
2)長期的には追加被ばく線量年間1mSV以下が目標。
3)年間10 mSV以上の地域については、当面は年間10mSV未満となることを目指す。

B)居住制限区域(年間積算線量20~50mSvの地域)となる地域
年間追加被ばく線量20 mSv以下となることを目指し、20~50 mSvの地域を段階的かつ迅速に縮小することを目標とする。

ここで示された線量には「年間積算線量」と「年間追加被ばく線量」の二つが混在し、またどちらかはっきりしないものもあるのが混乱を招いている。

「年間追加被ばく線量」は屋外と屋内にいる時間を考慮して被ばく量を推定したもので、「年間積算線量」の6割程度になるようだ。
だから、A2の長期1mSVというのは「年間積算線量」が1mSVになるわけではない。A3の年間10 mSVはどちらの線量かはっきりしないし、A1との関係がわからない。

Bのほうはおかしい。「年間追加被ばく線量」を20 mSv以下にするというのでは、「年間積算線量」は33mSv以下で良い。かなりの地域(現在、年間20~33mSv)では何もしなくても達成している!?以上の私の読み方が正しければ、かなりのごまかしがあることにならないか?
どなたか、教えてください。

環境省発表資料:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14747

# by iron_pen | 2012-01-29 17:41 | 放射線